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生産緑地の指定解除はどうなる?「2022年問題」の対策

Category サービス  2022年 生産緑地 生産緑地法 

2020.09.23

横塚
生産緑地の指定解除をめぐる2022年問題。
生産緑地や、その指定解除について、ポイントなどをご紹介します。

生産緑地はどのような土地?

高度成長期の1968年に都市計画法が制定され、市街化区域は宅地化を図るべきエリアとなった後、農地・緑地などが減少することにより、住環境の悪化を招きました。

そこで、緑地の環境機能を維持するため1974年に「生産緑地法」が制定され、農業を続けたい農家にとって固定資産税等の税負担がその妨げにならないように、一般農地並みの課税に抑える政策がとられました。

さらに、大都市圏の地価高騰と住宅問題の激化の中、1992年に生産緑地法の改正が行われ、市街化区域内の農地は、農地として保全する「生産緑地」と宅地などに転用される「宅地化農地」に明確に分けられることとなりました。

畑

この改正により、大都市圏の農地も、特定の条件を満たし自治体による「生産緑地の指定」を受けた場合は、固定資産税が一般農地並みの課税となり、終身営農することを条件に受けられる税制優遇措置(相続税の納税猶予)が取られます。税制優遇と引き換えに、農業以外の用途に土地を使えない、建築物を建てられないなどの行為が制限され、農地としての管理が求められます。

生産緑地の指定解除について

以下のいずれかに該当する場合、各市区町村の農業委員会に買取申し出を行い、市区町村が買収せず、かつ買取希望照会・農業経営者への買取凱旋を経て生産緑地として買収する者がいない場合には、生産緑地の指定が解除されます。

生産緑地の指定解除

  • 生産緑地の指定後30年経過
  • 土地所有者又は主たる従事者の疾病・障害等により農業等の継続が困難な場合
  • 土地所有者の死亡により相続した者が農業等を営まない場合

生産緑地の2022年問題とは?

1992年の生産緑地の指定から「30年」が経過し、その優遇と制約の期限が切れる(生産緑地指定の解除)のが2022年です。

三大都市圏特定市(東京23区、首都圏・関西圏・中部圏の政令指定都市)の市街化区域には、「生産緑地」に指定されている農地が1万ヘクタール以上もあり、このうちの約8割が2022年が期限となるとみられます。
その結果、宅地として大量に市場に流れる可能性が考えられます。

【生産緑地法改正のポイント】
(2017年改正・2022年問題の対策として)

(1)特定生産緑地制度の創設

従来の「生産緑地」が「特定生産緑地」の指定を受けると、買い取りの申出期間がさらに10年間延伸され、税制の特例措置も継続されます。また特定生産緑地の指定は、10年ごとに更新可能です。

(2)生産緑地地区の面積要件の緩和

従来は一団で500㎡以上となっていましたが、自治体により300㎡まで引き下げることが可能になります。
これにより、これまでは生産緑地の一部が相続などで指定解除された場合、残った部分の面積が規模要件を下回ると生産緑地の指定が解除されてしまうリスクも軽減されます。条件が緩和されたことで、これまで宅地化農地にせざるを得なかった小さな農地も、生産緑地に追加指定しやすくなります。

(3)生産緑地地区における建築規制の緩和

改正前は農業用施設に限定されていましたが、農産物の直売所や農産物の加工施設、農家レストランなども建築可能に。自分で営農すること以外の選択肢が広がったことで、高齢化や後継者不足に悩む農家も、農地のまま保有しやすくなります。

《後記》
生産緑地に関わる法律の改正により、今後は営農目的以外の土地活用が生まれる可能性があります。

■ 生産緑地の買取申し出に関するお問い合わせについては、各自治体ホームページへ
■ 生産緑地の買取申し出に伴う敷地の測量に関するお問い合わせについてはこちら
 ⇒当社:お問い合わせフォームへ

横塚

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